バーチャルの世界の住人達へ

政治経済からファッション、恋愛まで秋日子が独自の感性で世相を斬る!

お勧めの映画! 火宅の人 あちらにいる鬼

個人的には緒方拳の火宅の人の方がよりリアリティで、引き込まれました。ロケ地も変化があり、ストーリーの展開も早い。中原中也や太宰治との絡みもスパイスが効いています。しかしながら、2本とも飽きずに見られる作品です。


あちらにいる鬼


あらすじ・ストーリー 人気作家の長内みはるは、講演旅行先で戦後派の作家・白木篤郎と出会い、関係を持つ。篤郎の妻・笙子は夫の奔放な女性関係を黙認し、夫婦関係を続けている。しかし、互いに作家を生業する篤郎とみはるは、肉体関係だけでなく“書くこと”でも深く繋がっていく。


解説 直木賞作家・井上荒野が、父・井上光晴と母、父と関係のあった瀬戸内寂聴をモデルに創作した同名小説を映画化。それぞれに妻子やパートナーを持つ男女がひかれ合い、肉体関係だけでなく“書くこと”で深く繋がり、互いにかけがえない存在になっていく様を描く。監督は廣木隆一。脚本は荒井晴彦。W主演に寺島しのぶ、豊川悦司。共演は広末涼子ら。



主演・寺島しのぶ、豊川悦司、共演・広末涼子、映画『あちらにいる鬼』予告編【2022年11月11日公開】



火宅の人


作家、桂一雄は、最初の妻リツ子に死なれ、後妻としてヨリ子をもらった。ヨリ子は腹ちがいの一郎をはじめ、次郎、弥太、フミ子、サト子と5人の子供を育ててきた。昭和31年、夏、一雄は新劇女優、矢島恵子と事をおこした。8年前の秋、彼女が知人の紹介状を持って訪ねて来て以来、その率直さに心魅かれていたのだ。恵子はその後、一雄の忙しい時に原稿の清書を手伝ったりしていた。26年に「長恨歌」で直木賞を受けた一雄は、受賞の喜びよりも恵子の嬉しげな笑顔の方が、心に残る。だが、指一本触れたことがなかった。そんな時、一雄の身辺に凶事が重なった。一昨年の夏は、奥秩父で落石に遭い助骨3本を骨折。昨年の夏は、次郎が日本脳炎にかかり、言葉も手足も麻痺してしまう。そして今年の夏。一雄は太宰治の文学碑の除幕式に参列するための青森行に、恵子を誘ってしまった。ヨリ子は次郎の事があってから、怪しげな宗教の力にすがるようになっていた。一雄はある局面に向って走り出した。40年前、一雄の母は、神経衰弱の父と幼い妹二人を残して、年下の大学生と駆けおちしたのである。青森から帰った一雄から、全てを打ち明けられたヨリ子は、翌日家出した。一週間すぎても連絡はない。一雄は若々しい恵子との情事のとりこになっていった。ある嵐の夜、ヨリ子は一生、次郎と子供たちのために生きる覚悟を決めたと戻ってきた。入れ替わりに一雄は家を出、浅草の小さなアパートで恵子と新しい生活をはじめる。一郎がそのアパートに空巣に入るという騒ぎ、恵子が某怪人物に溺愛されているとの噂に、嫉妬に狂った一雄が京都公演中におしかける事件などの後、恵子が妊娠した。堕胎を決意した彼女は、一雄に同行を求めるが、彼にはそんな時間の余裕はなかった。その夜、二人は派手な喧嘩をした。逃げるように東京を離れた一雄は、五島列島行の連絡船にとび乗った。彼はそこで、京都で怪我をした時介抱してくれた女性、葉子に再会した。義父に犯された暗い過去を持つ彼女は、10年ぶりに里帰りしたのだ。葉子は、あてのない一雄の旅の道連れとなったが、クリスマスの夜、求婚されていた華僑への返事を、これ以上のばせないと一人で旅立って行った。東京へ戻り、久々に正月を家族と過ごすことになった一雄のもとに、次郎の死が知らされる。次郎の葬儀の日、恵子から一雄の荷物が届けられた。



予告編 火宅の人 1986

×

非ログインユーザーとして返信する