被害者ぶる人間は危険で厄介なんです!
「被害者ならば何をしても許される」――そう思い込んで被害者のふりをする人が、いま社会に蔓延している。必ずしも自分が実際に被害を受けたわけではないのに、あたかも被害者であるかのように装い、まわりの人々を味方につけて誰かを攻撃する人たち。この人たちは、本来救済されなければならない「リアル被害者」とはまったく異なる人たちだ。
被害者ぶる人たちは、なぜ自分が被害者であるかのように装うのか。精神科医である片田珠美氏の著書『被害者のふりをせずにはいられない人』(青春出版社)の一部を紹介する。
共通点は「被害者ぶっている」
これらのケースに共通しているのは、加害者がみな「被害者ぶっている」という点である。
本人は本人なりに何かつらい思いを抱えているのかもしれない。しかし、それは自業自得であり、誰かに陥れられたわけではない。それにもかかわらず、「自分は被害者だ」とアピールすることによって逆に誰かを攻撃する。
こうした“被害者ぶる人”に心当たりのある人は多いはずだ。“被害者ぶる人”は、必ずしも特別な存在ではない。職場や学校、友達関係や家庭内など、ごく身近なところにごく普通に存在している。そして、彼ら彼女らによって加害者に仕立てあげられて、肩身の狭い思いをしている人もまた数多くいるのである。